買付証明書とは何か
● 定義と目的

買付証明書とは、不動産を「買いたい」と考える買主が、売主（または売主側の仲介業者）に対して購入意思を伝えるための書面で、「購入申込書」「買付申込書」「買受証明書」などとも呼ばれます。
言い換えれば、「この物件をこの条件で買いたい」という“申し込みの意思表示”を文書で示すためのものです。

● 契約書とは異なる — 法的拘束力はない

重要なのは、買付証明書は正式な売買契約書ではなく、あくまで「希望」を伝える書類である点です。法的な契約としての拘束力は基本的にありません。
つまり、買付証明書を出しただけでは売買契約は成立せず、後日、売主との合意のもとで売買契約書を交わすことで契約が成立します。

なぜ買付証明書を出すのか — 役割とメリット

買付証明書の提出には、いくつか明確なメリットがあります：

• 真剣な購入意思を示せる

• 交渉のスタートを切るきっかけになる

• 他の購入希望者との差をつけられる

• 条件の提示・交渉が具体的にできる

典型的な記載項目（内容）
注意点・デメリット — “魔法のチケット”ではない

• 法的拘束力はない

• 提出後もキャンセルや条件変更は可能

• 優先権を保証するものではない

• 記載内容によっては信用を損なうこともある

どんなときに買付証明書を出すべきか

• この物件を本気で購入したいと考えている

• 人気物件で他の買主もいそう

• 条件（価格や引渡し日など）が固まっている

• 仲介業者と密に連携できている

実際の流れ：買付証明書から売買契約まで

1. 内覧後、購入の意思が固まったら買付証明書を記入

2. 仲介会社経由で売主に提出

3. 売主が複数の申し込みを比較

4. 条件が合えば、売買契約書作成へ

5. 売買契約締結・手付金支払いで契約成立

書き方のポイントと注意点

• 無理な価格設定を避ける

• ローン条件は明確に記載

• 引き渡し希望条件も記入

• 有効期限を明記

• 提出前に仲介業者と十分に相談する

まとめ — 買付証明書は「本気を伝えるラブレター」

買付証明書は、不動産購入における「本気度を伝える第一歩」。法的拘束力はありませんが、売主との交渉をスムーズに進めるための重要な手段です。条件が整っているなら、積極的に活用し、希望する物件の購入に近づきましょう。